親が遺したiPhone。中の写真や連絡先を見たいのに、パスコードが分からず開けずに困っていませんか。
先にお伝えすると、Appleはプライバシー保護が厳格で、ショップやAppleのサポート窓口にiPhoneを持ち込んでも、その場でロックを解除してもらうことはできません。ただ、遺族が公式に試せる方法はあります。この記事では、安全な順番で解説します。
この記事の結論
- まず、パスコードを何度も試さない(設定によっては10回で全データが消去される)
- 親が「故人アカウント管理連絡先」を設定していれば、Appleに申請してiCloudのデータにアクセスできる
- 設定がなくても、Appleに相談できる場合がある
- パソコンや他の端末に、写真のバックアップや同期が残っていないかを探す
- 初期化は絶対にしない(データが戻らなくなる)
- スマホの契約を解約する前に、この記事の方法を確認する(SMS認証が使えなくなるため)
1. 最初に:当てずっぽうの入力はやめる
親の誕生日や記念日を何度も入力したくなりますが、控えてください。iPhoneは、パスコードを連続して間違えると、一定時間操作できなくなります。さらに、「データを消去」の設定がオンになっている場合は、10回連続で間違えると、iPhone内のすべてのデータが消去されます。
設定がオンかどうかは外から分かりません。思い当たる数字を試すとしても、数回までにとどめ、以降は次の方法に進んでください。
2. 方法①:故人アカウント管理連絡先を確認する
iOS 15.2以降には、本人が亡くなったあとにデータへアクセスできる人を指定する「故人アカウント管理連絡先」という機能があります。親があなたを指定していた場合、これが公式で最も安全なルートです。
確認すること
- 親が設定していれば、アクセスキー(QRコードなど)が共有されています。遺品の書類や手帳に、プリントされたアクセスキーがないか探してください。
- 指定されたときに、あなたのiPhoneに通知が届いていた可能性もあります。
申請に必要なもの
- アクセスキー
- 契約者(親)の死亡証明書(死亡届の写しなど)。場合によっては、死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本)が必要になることもあります。
申請の流れ
- アクセスキーに記載されたAppleのデジタル遺産のページ(digital-legacy.apple.com)にアクセスする
- 自分のApple IDでサインインし、アクセスする権利のリクエストをする
- Appleの審査後、承認されれば、故人のAppleアカウントのデータにアクセスできる(期間は3年間とされています)
注意:できることの範囲
- アクセスできるのは、iCloudに保存されているデータです(写真、メッセージ、メモ、ファイル、デバイスのバックアップなど)。
- iPhone本体のロックを解除する機能ではありません。
- Apple IDで購入した映画や音楽、キーチェーンに保存されたパスワードなどには、アクセスできません。
申請書類や期間は変更されることがあります。申請の前に、Appleサポート「死亡した家族のAppleアカウントへのアクセスをリクエストする方法」で最新の内容を確認してください。
3. 方法②:設定がない場合は、Appleに相談する
親が故人アカウント管理連絡先を設定していなくても、あきらめる必要はありません。Appleのサポートには、故人のアカウントへのアクセスを申請する別の方法があります。海外では裁判所命令が求められますが、日本などの一部の地域では、裁判所命令の代わりとなる書類や手続きが認められているとされています。
落ち着いたら、Appleサポートに相談し、必要な書類を確認してください。ただし、認められるかどうかは個別の状況で異なります。
4. 方法③:iCloudにサインインしてみる
親のApple IDとパスワードが分かれば、パソコンのブラウザから「iCloud.com」にサインインして、写真などを確認できる場合があります。親の手帳やエンディングノートに、ID(メールアドレス)とパスワードの記載がないか探してください。
注意点
- 2ファクタ認証:ログインのときに確認コードが求められます。コードは、親の信頼できるデバイス(iPhoneやMac)や、親の電話番号のSMSに届きます。電話番号が解約済みだと、コードを受け取れなくなるので、解約はしないでください。
- 規約上の注意:Appleは、アカウントの権利が本人の死亡によって消滅するという考え方をとっています。他人のアカウントでサインインすることが規約上どう扱われるかには注意が必要です。可能なら、方法①②の公式な手続きを優先してください。
5. 方法④:バックアップと他の端末を探す
iPhoneのロックを回避しなくても、写真が別の場所に残っていることがあります。
- 親のパソコン(MacやWindows):過去にiPhoneをパソコンにつないでバックアップしていれば、パソコンにバックアップが残っている場合があります。ただし、バックアップがパスワードで保護されていると、そのパスワードが必要です。
- 親のiPadやMac:同じApple IDでiCloud写真を使っていれば、他の端末にも写真が同期されていることがあります。
- 共有アルバムや、家族のスマホ:家族に送った写真、LINEのアルバム、共有アルバムも確認してください。
- ロック中のiPhoneをパソコンにつなぐ方法:ロック中のiPhoneは、パソコンにつないでも、写真にアクセスできない場合が多いです。つないで写真が見えるとは考えないでください。
6. 最終手段:専門のデータ復旧業者
どの方法でもうまくいかず、どうしても取り出したい場合は、デジタル遺品を扱う専門業者への相談もひとつの選択肢です。ただし、次の点を理解してから検討してください。
- 成否は、機種・iOSのバージョン・端末の状態で大きく変わります。最新機種や新しいOSでは、対応できない場合があります。
- 業者のホームページの「必ず解除できます」などの表現を、そのまま信じないでください。
業者を選ぶときの確認点
- 「成功報酬」でも、診断費・調査費が別にかからないか、成功の定義(何が取り出せたら成功か)を事前に確認する
- 見積書をもらい、追加料金の条件を確認する
- 遺族であることの確認(死亡の証明や相続関係の書類)を求める会社か確認する(確認がない会社は避けた方が安全です)
- プライバシーマークなど、個人情報の取り扱いの認証を持っているか確認する
- 個人情報を扱うので、データの保管・削除の方針を確認する
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よくある質問
Q. Appleストアやキャリアショップでロックを解除してもらえますか?
できません。プライバシー保護のため、その場での解除には対応していません。
Q. 初期化すれば使えるようになりますか?
使えるようにはなりますが、中のデータは戻らなくなります。初期化(リカバリーモード)は、データを諦めると決めるまで絶対に行わないでください。
Q. パスコードを10回間違えるとどうなりますか?
設定によっては、iPhone内のすべてのデータが消去されます。設定は外から分からないので、何度も試さないでください。
Q. 解約しても、iCloudにはログインできますか?
ログインできても、2ファクタ認証のコードがSMSで届く設定だと、電話番号を解約した後は受け取れなくなります。解約の前に確認してください。
【内部リンク:ドコモ・au・ソフトバンクの手続き記事】
まとめ
- 当てずっぽうのパスコード入力はやめる
- 故人アカウント管理連絡先の有無を確認し、あればAppleに申請する
- 設定がなくても、Appleに相談できる場合がある
- パソコンや他の端末に、バックアップや同期が残っていないか探す
- 初期化は絶対にしない。スマホの解約も、確認が終わるまで待つ
まずは本体の操作を止めて、遺品の中のヒント(アクセスキー、手帳、パソコン)を探すことから始めてください。
出典:Appleサポート「死亡した家族のAppleアカウントへのアクセスをリクエストする方法」
